フランス留学を考えているけれど、費用面が不安で踏み出せない…そんな悩みを抱えていませんか?私もかつては同じ悩みを抱え、ワーホリでフランスに渡り、その後大学院で正規留学をすることになりました。
この記事では、フランス留学にかかる具体的な費用や学費の安い語学学校の選び方、そしてアルバイトや家賃補助など、経済的に負担を減らしながら充実した留学生活を送るためのコツを紹介します。
実際の経験から得たリアルな情報をお届けするので、これから留学を考えている方はぜひ参考にしてください。1年間のフランス留学の費用なども紹介します。フランス留学は、思っているよりも手が届くかもしれませんよ。
伝えたいこと
○ 長期留学ならCAF家賃補助をもらいながら生活できる
○ 現地でアルバイトをしながらフランス語を学べる
○ 留学すれば確実にフランス語力が伸びる
大学卒業後、都内で社会人になり会社員生活を送るも海外で生活をしたい気持ちが強くなる。退職後、貯めたお金でフランスへワーホリのため渡仏をする。
ワーホリで1年フランス滞在後、一時帰国。
同じ年にフランスに戻り、フランス大学院社会科学の修士課程に進学。
フランスで留学をするには?
フランス留学するには、色々な方法があります。ワーホリで現地に行ってから学校を見つけて数ヶ月ほどフランス語を勉強することもできますし、DELF B2やDALF C1のフランス語力があるなら大学や大学院に正規留学をしてフランスの高等教育機関でフランス語を使って勉強することもできます。
正規留学は難しそうに思えるかもしれませんが、実はDELF B2レベルのフランス語力があれば、大学や大学院に入学することができます。ただし、フランス語の要件は大学によって異なるため、事前に確認しておきましょう。私の場合は、DELF B2しか持っていませんでしたが、大学院1年目に正規留学できました。
必要な語学レベルをクリアしたら、自分の専門に合わせて「なぜその大学で学びたいのか」をしっかりと志望動機に書けば、どこかの大学に入学できる可能性が高いです。さらに、フランスの大学院は入学試験がないため、日本の大学院と比べて入りやすいのも大きなメリットです。
フランス留学のメリット・デメリット
学費が安い
アメリカやイギリスなどの英語圏などの留学だと学費が高いイメージがありますが、フランスの大学への正規留学の場合、年間の授業料が学士課程175€、修士課程250€とかなり安いです。
日本の国立大学や私立大学と比較しても安いです。本来であれば、ヨーロッパ圏外の学生は高い学費を払う必要がありますが、それぞれの大学がストライキをしているので、ヨーロッパの学生料金で年間を過ごせます。
※留学前に大学のホームページでよく調べることをおすすめします。
例えばパリナンテール大学のホームページでは外国人の学生にもフランス人と同じ学費が適用されることが記載されています。
その他にCVEC(Contribution Vie Étudiante et de Campus)へ103€を払う必要がある記載があります。これは、高等教育機関への登録に必要な手続きとなっています。
語学学校の学費
また語学留学でも国立大学の語学課程を選択すれば年間50万円もかかりません。
2024-2025年の情報だと、
地方レンヌなら、年間で2200€で済みます。
パリ市内なら、ソルボンヌ・ヌーベル校で、年間2286€
パリの郊外にあるナンテール校なら、半学期で625€のみで済みます。
ただし国立大学の語学学校は、書類審査がある所が多いため、事前に各大学のホームページを見て確認しておきましょう。
フランスの社会保障制度を利用できる
フランスにはSécurité Sociale という社会保障制度があり、この制度を留学生も利用することができます。
ワーホリの時には海外保険を申し込みましたが、正規留学をする時には、渡航前に保険は申し込みませんでした。このセキュリテ・ソシアルのおかげで、医療費や薬代が割引になり、またコロナ禍でのワクチン接種も無料で受けることができました。
家賃補助がもらえる
フランスでは外国人学生でも家賃補助を受け取ることができます。CAF(Caisse d’allocations familiales︰家族手当在庫)に登録すると、APL(Aide personnalisée au logement )という住宅手当をもらうことができます。
大体200~250€の金額を毎月家賃補助としていただいていました。正規留学であれば、学費を差し引いても、家賃補助の方が多く、結果的にお金をもらいながら留学することができました。ただし長期学生ビザ(VLS-TS)の方が対象となり、短期留学は対象とはなりません。
キャンパスフランスにもフランスに到着した後にCAFに登録するように記載があります。長期留学生にとっては嬉しい補助金となります。
アルバイトが可能
ワーホリビザであれば、週に35時間勤務することができます。また長期学生ビザの場合でも、週20時間、年間964時間勤務することができます。
周りの留学生は平日の夜や週末に働いて生活を稼いでいる人が多かったです。また規定の年間時間(964時間)内であれば、学期の間に授業がない期間に働く時間を増やすことが可能です。夏は授業がないので、多くシフトを入れている留学生もいました。
留学の後にフランスで就職ができる
以前の記事にも書いたように、修士課程やそれに相当する課程を卒業すると、1年間の就活ビザを取得できます。
私は社会科学専攻で実務に特化した学問を学んでいません。同級生の他の留学生は、博士課程に進んだり、また帰国したりなど、この就活ビザを使っている人を見ませんでした。
私の周りではビジネスやマーケティング、国際コミュニケーションなどの専攻としている人がこのビザを多く使っている印象があります。
異文化で生活することで知見が広がる
まずフランスという国がどういうメンタリティーで回っているかがわかるようになります。友人との集まりでは時間通りに来ることはなかったり、頬を触れるビズという挨拶でボディコンタクトの重要さを知ります。
実際にデモが起きて、電車がキャンセルになることもあります。夏のバカンスの時期では、大学や行政の事務からの返信があることはほとんどありません。
日本ではあまり見かけなかったヒジャブを身に着けたムスリムの女性やアフリカ系の人たちを見かけ、コミュニケーションを取るようになります。
私自身、日本では、日本人コミュニティにいたので、異文化を背景に生活をしている人と同じ空間にいて、コミュニケーションを取るだけで面白かったです。
フランス語力が伸びる → 自信がつく
語学学校でフランス語を勉強していると、授業中に毎日新しい単語に触れ、フランス語の文法をインプットとアウトプットするため日々フランス語が成長していることを実感できます。
また身近にフランス語がありますので、フランス語の本や雑誌を買って読んだり、友人とフランス語で話すことでフランス語の力がかなりあがりました。
ワーホリに行く前には取ることもできないと思っていたDELF B2をワーホリの時に取ることができました。また大学院の留学では、フランス語で授業に参加し、専門知識を学ぶことできました。
修士論文もフランス語で書くことで、アカデミックなフランス語を読み、書くことを学びました。結果的に、DALF C1までフランス語を伸ばすことができました。
フランス留学前には手に届かないと思っていたレベルのフランス語も理解できるようになり、努力して成果を出せた自分に自信を持つことができるようになりました。
あまりありません。日本でのキャリアが中断されることや日本の友人や家族と会えなくなる。日本食がかなり恋しくなるくらいでしょうか。
留学前にやっておくべきだったこと
もっとフランス語(会話)を勉強しておくべきだった。
仏検2級をワーホリに行く前に取っていました。2級レベルでフランスに行くと、フランス人が話す速いフランス語を聞いて理解することができませんでした。
特に10代や20代の若い人のフランス語はかなり速い印象を持ちました。
日本で勉強していたことがほとんど役に立たなかった印象です。
日本にいる時から仏検だけでなく、オンライン講座などでフランス語を話す機会を増やし、YoutubeやPodcast でフランスを多聴し、DELF・DALFの勉強をしておけばもう少し理解できる内容が増えていたかもしれません。
もう少し早くに留学しておくべきだった。
私がワーホリをしたのは、大学卒業後、社会人生活を数年してからでした。すでに20代後半になっていたので、語学学校にいる他の留学生よりも少し年上でした。
大学院では、ほとんどの同期が21~22歳だったため、年齢差を感じることがありました。
しかし、フランス留学に年齢は関係ありません。私が通っていた語学学校では、50代の方もフランス語を学び、DELF B2を取得していました。
ワーホリではなく語学留学でもよかったもしれない。→延長できる。
ワーホリでフランスに行く前は、正規留学を考えていませんでした。しかし、フランスでの生活を通して、大学院で学びたいという気持ちが次第に強くなり、一時帰国するのがもったいないと感じるようになりました。
語学留学でもビザを更新することができ、また長期学生ビザなら働くことが可能であることを知っていれば語学留学でもよかったかもしれません。
ワーホリ時代に行った私立の語学学校の学費は、大学の語学学校の学費よりも高かったです。
フランスの語学留学1年間でかかる費用
フランス🇫🇷留学費用 | 金額 (€) | 期間 | 合計 (€) |
---|---|---|---|
支出 | |||
飛行機代 | 1000 | ||
学費 | 2200 | 年間 | 2200 |
生活費 | 300 | 12ヶ月 | 3600 |
家賃 | 600 | 12ヶ月 | 7200 |
支出合計 | 14000 | ||
収入 | |||
アルバイト | 800 | 10ヶ月 | 8000 |
CAF | 200 | 10ヶ月 | 2000 |
収入合計 | 10000 |
アルバイトやCAF(家賃補助)で一定の収入があるなら、貯金100万円(約6000€)あれば、フランスでの語学留学を1年間、余裕を持って過ごせそうですね。
正規留学であれば、学費を減らすことができます。奨学金をもらっている方(月10万円ほど)は留学をすればアルバイトなしでも十分暮らしていけますね。
人によって費用は変わる
専門性のある方はもう少し収入を増やすこともできますし、また服を買ったり旅行などする場合は生活費はもう少しかかるかもしれません。家賃は人によって上下しやすい金額かもしれません。
私は家賃と光熱費を合わせて500€ほど毎月払っていました。
アルバイトで生活費をかせぐ
表グラフのなかで、アルバイトやCAFが10ヶ月と記載されているのはすぐにアルバイトを始めることはない方が多い印象で、またCAFは申請してから少し待つ期間があるので最短でも到着してから1-2ヶ月はかかることから、10ヶ月としています。
私は日本食レストランでアルバイトをしていましたので、お客さんからのチップをもらえたり、賄いを食べたり、持ち帰ったりしていました。
交際費
生活費に含まれる交際費についてですがフランスでは日本でいう居酒屋に行くことはせず、友達の家で宅飲み(ソワレ)をしたり、川沿いで持ち寄ったビールを飲んだりとそこまで交際費はかかりませんでした。
働きすぎない
フランスの語学学校には、学費だけ払ってノワール(規定労働時間よりも多く働くこと)で働き、学校には来ない人もいます。そういう方はフランス語を話す能力は一見伸びているように見えますが文法が出鱈目な場合があります。
フランス語を伸ばすためにフランス留学をするのであれば金銭的な余裕があることは勉強する上で必要なことだと思います。
外国人留学生にも手厚い社会保障(特にCAFの家賃補助)のおかげで、自分で貯めたお金と現地のアルバイトで余裕を持って勉学に精を出すことができました。
フランスでなければ、金銭面を理由に大学院の修士課程を卒業できなかったかもしれません。フランスの正規留学だと格安に留学ができて勉強の時間を捻出することができますね。
日本に長く住んでいた私にとって、異なる文化圏での生活は、自分の考え方がどれほど日本の社会常識に影響されていたかを見直す良い機会となったと思います。