今日のアウトプット
ワーホリや語学留学ではなく、仕事をしながらフランスに住んでみたい。ただ特別なスキルがないからフランスに移住するのは難しいかもしれない。
私自身もどうやったらスキルなしでもフランスに移住できるか悩んでいました。
スキルのない文系の私でもフランスで留学の後、フランスで就労ビザを取ることができました。
将来、フランスで生活してみたい方に、就労ビザの取得条件やその流れをお伝えします。
伝えたいこと
○ スタージュ(インターンシップ)を活用する
○ 就労ビザをもらえる人は会社に価値をもたらす人
○ 日本での就職経験は役に立つ
パリで正社員の仕事を探すもスキルがなく見つからず、紹介により、日本関係のスタージュ(インターンシップ)を見つける。
スタージュ先で成果が認められ、正社員登用される。
仕事ができるビザを取得する
フランスで仕事をするにはビザが必要です。
フルタイムで働けるビザは次のビザがあります。
ビザの種類 | 期間 | 労働条件 | 特徴 |
---|---|---|---|
ワーホリビザ | 1年限定 | 週35時間まで労働可能 | 短期滞在向け |
自営業またはフリーランスビザ | 1年 | 自営業・フリーランス活動可能 | 独立して仕事をする人向け |
就労ビザ | 1年 | フルタイム労働可能 | 会社にビザを申請してもらう必要あり |
今回は私が経験した就労ビザの獲得について、実体験を交えながらお伝えします。
就職先の探し方
就職先を探す
就労ビザを取得するには、会社に就労ビザを取得してもらう必要があります。あなたを必要とする会社を探すことがフランスで仕事をする第一歩です。
就職先を探す時は、日本と同じように求人サイトなどで仕事を探します。
求人サイト
就職先を探すには、求人サイトを使うのが一般的です。
求人サイトは、Indeedが最も求人数が多くおすすめです。
求人を探す時は、Indeedの設定をフランスのサイトURLで、フランス語で検索してください。
Helloworkも求人数が多いです。日本関連の仕事を見つけやすいです。
サイト名 | URL | 特徴 |
---|---|---|
Indeed | https://fr.indeed.com/ | フランス語版、最も求人数が多い |
Hellowork | https://www.hellowork.com/fr-fr/ | Indeedの次におすすめ、日本関連の求人が見つかりやすい |
求人サイトでは、自分のこれまで働いてきた分野の単語や日本関連の単語で検索すると、スキルがそこまで求められず、自分に合った求人を探すことができます。
ビジネス用SNS LinkedIn
またフランスでは、ビジネス用のSNSとして、LinkedInを使っていますので、アカウントを作っておくといいでしょう。
LinkedIn限定の求人もありますので、使っていて損はないでしょうか。フランスの企業であれば、ほとんどの会社員は使っている印象です。
日本人の友人は、LinkedIn経由でフランス企業からオファーが来たと言っていました。
プロフィールや英語かフランス語で作成する方がいいでしょう。
🔗LinkedInリンク
ネットワークを使う
フランスはコネ社会です。私は日本でも転職をしましたが、フランスの方が人脈で仕事を決めている人が多い印象です。
日本にいてもLinkedinでコンタクトすることもできますので、人脈づくりは行っておくと、就職までたどり着く可能性が高まります。
仕事が見つからないとき
履歴書を送っても返信が来なかったり、面接になかなか通過しないことがあるかもしれません。
その場合、希望の職種や雇用形態(正社員)に限定するのではなく、スタージュ(インターンシップ)で探してみるとチャンスが広がります。
スタージュ(インターンシップ)を探してみる
日本にいながら正社員で雇ってもらえるフランスの会社を見つけるには実績やスキルが必要となります。私も正社員での就職を目指していましたが、なかなか書類選考に通過しませんでした。
私はスキルや実績もありませんでしたので、スタージュ(インターンシップ)から始めることにしました。
スタージュですと思ったよりもすぐに見つけることができました。
仕事内容はパリにあるフランス企業の商材を日本マーケットの拡大のために日本の会社に営業をすることでした。
スタージュするために必要なこと
スタージュするために学校へ行く
スタージュを始めるには、Convention de Stageという研修協定が必要です。これは学校が出してくれます。学校、企業、スタージュをする当事者のサインがあって効力を持ちます。
そのため、スタージュを始めたいと考える日本の方であれば、研修協定を出してくれる学校に行く必要があります。
フランスで働くために、学校へ行くことは遠回りに思えますが、フランス語も上達できますので、私はすぐに転職先を探すことをあきらめて、まずは学校に行くことにしました。
国立大学が安くておすすめ
国立大学でスタージュが必須となっている所をおすすめします。
ビジネススクールだと年間150-200万円する所が多いですが、国立大学ですと学士で170ユーロ、修士で243ユーロのみで済みます。
EU圏以外の学生は、本来であれば、2024年だと学部は年間2770ユーロ、修士は年間3770ユーロほど費用がかかるのですが、大学により独自でEU圏以外の学生に対して学費を値上げすることを反対している所があります。
Demande d’exonération 免除申請をすることで、EU圏の学生と同じ学費を支払うだけで済みます。
学校を探す時には、行きたい大学の学費がEU圏の学生と同様に安いのか、スタージュが必須の課程なのかを確認してみましょう。
スタージュが必須な大学課程
参考例として、学費が安い国立大学の修士課程を紹介します。これらの課程では、文系で選考に特別なスキルがあまり必要とされないので入りやすいかと思います。
INALCO(フランス国立東洋言語文化学院)の「国際貿易」課程ではスタージュが必須で、Convention de Stageを発行してくれます。
パリ第8大学の「国際貿易とマーケティング・エキスパート」の課程もスタージュが必須で、Convention de Stageを発行。
CY セルジー パリ大学の「言語と国際貿易」の課程もスタージュが必須で、Convention de Stageを発行。
国際貿易やマーケティングがスタージュが必須になっている印象があります。ビジネスで探すとどうしてもビジネススクールや学費の高い大学が多く見つかりますね。
他に知りたい課程などあれば、お問い合わせからメーセージください。探してみますね。
フランスでは一般的なスタージュ
フランスでは新卒や未経験者は、スタージュ(インターンシップ)から仕事を始めるのが一般的です。
職歴がないと仕事につけないというフランスの労働市場の仕組みがあります。優秀で専門知識のある学生でもまずは職歴をつけるためにスタージュから始めることは少なくありません。
スタージュの給料
スタージュは正社員と同じように週35時間働きますが、給料はかなり低いです。
私の場合、月に610ユーロでした。無給のスタージュもあります。低い給料でもフランスではスタージュを希望する人が絶えません。スタージュ先を見つけることができない人もいます。
スタージュから正社員
もちろんスタージュ先から仕事を続けてほしいと会社から言われることがあります。その場合、スタージュから正社員(CDI)や契約社員(CDD)に雇用形態を切り替えることになります。
私の場合は、運良くスタージュから正社員になることができました。もしダメなら、スタージュ先の同じ業界で仕事を探すか専門性の高い分野を学べる学校に行くつもりでした。
スタージュが始まる前に面接時に、正社員(CDI)になれるチャンスはあるか、就労ビザは出せる可能性があるかは聞いておく方がいいでしょう。
労働許可証の申請(私の場合)
就職先が見つかったら、契約書を結びます。その後は、就職先に労働許可証(Autorisation de travail)取得の手続きをしてもらいます。
必要書類 私の場合
◯ 最終学歴証明書(修士号取得の学位証明書)
◯ 現在の滞在許可証(就活ビザのカード)
◯ 履歴書
◯ フランスや日本で取得した最終の卒業証明書
書類を提出してから時間がかかります。正社員雇用の話がきたら労働許可証の手続きに取り組むといいです。
私の場合は、4ヶ月かかりました。
当時、私は就活ビザでしたので、労働許可証の準備ができてから、就労ビザへの切り替えを行いました。
就活ビザは、スタージュが必須でない分野の大学院でも修士課程を卒業すればもらえます。実務での留学を考えていない方は選択肢として入れておいてもいいかもしれません。
会社が就労ビザを外国人のために取る費用
就労ビザをは会社が取ってくれます。ただ就労ビザの取得にはお金がかかります。
就労ビザを取るのが難しいと言われるのは、会社が費用を出して、書類などを提出する手間があるからですね。
12ヶ月以上の契約を結ぶ場合、雇用者は以下の税金を支払います
給与月額 | 税額 |
---|---|
4,417.29ユーロ未満 | 給与月額の55% |
4,417.29ユーロ以上 | 2,429.51ユーロ(固定) |
費用と手間を出してまでも払ってもいい人物と評価される必要があります。
ビザ取得のポイント
スタージュから仕事を始めた時は30歳を超えていました。自分で選択した道でしたが給料も低く、正社員になれるか不安でした。
スタージュの最後の月に、正社員雇用されることが決まり、ほっとしたことを覚えています。
正社員雇用になったのは担当の日本マーケットが拡大し、会社の売上増加に貢献できたからでした。
会社が就労ビザを出したいと思えるかは、会社に貢献できているか、フランス人ではなくその外国人でないといけない理由があるか、この2つが判断要素として大きいようです。
フランスで働くために
今回の記事では、フランスで働くための重要なステップとポイントをご紹介しました。
主なポイントは以下の通りです:
- 就職が見つからなければスタージュ(インターンシップ)から始める
- 大学でスタージュが必須の課程を選ぶと有利
- 就労ビザ取得には会社の協力が不可欠
- あなたの会社の売上の貢献度がビザを取得に重要
フランスでの就労は簡単ではありませんが、準備と努力次第で実現可能です。自分の強みを活かし、粘り強く挑戦することが大切です。
夢の実現に向けて、一歩ずつ前進していきましょう!フランスでの新しい人生が、きっとあなたを待っています。