パリで就活ビザ(Carte de séjour “recherche d’emploi/ création d’entreprise”)から就労ビザ(Carte de séjour – salarié)への切り替え手続きを行った際の体験をまとめました。
インターネットでフランス語や日本語の情報を探しても、確実な手続き方法が見つからず、同じ状況で悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
実際に必要だった書類や当日の流れなど、今後、「就活ビザ」から「就労ビザ」への切り替えを考えている方のお役に立てる情報をお伝えします。
※記事は2023年のビザ更新について書いています。
伝えたいこと
○ 正しい情報をなるべく多く集めること
○ 職員の対応に冷静に対応すること
○ 追加の必要書類を想像して用意すること
そもそも就活ビザとは?
ここで言う就活ビザとは、求職もしくは起業ビザ(Carte de séjour “recherche d’emploi/ création d’entreprise”)のことを指します。このビザは、フランスの高等教育のディプロム(免状・卒業証書)を取得した後で、取得できます。
求職もしくは起業ビザという名前通り、フランスで職を探したりもしくはフランスで仕事に従事したり、起業することができるようですね。12ヶ月有効なビザです。
高等教育の免状は、専門的な学士、修士号もしくはそれと同等な免状(エンジニアのディプロムなど)、大学外での専門的な修士号、グランゼコールに認定された修士号(理学)などが該当します。
ビザ変更までにすること
就活ビザから変更する準備
2023年6月
滞在許可の期限(2023年12月まで)が切れるビザの更新手続きに取り組みます。
就労ビザを取得するには、就活ビザから就労ビザの変更の手続きをする必要があります。この就活ビザ→就労ビザの変更についての情報がなかなか見つからないので苦労しました。
会社にはすでにヨーロッパ外からの同僚(就活ビザ→就労ビザの更新を経験ずみ)がいるのでヒアリングをしました。
オンラインから書類の提出
2023年7月上旬
同僚に聞くと、就活ビザから就労ビザへの切り替えはオンラインで依頼ができるらしいです。オンラインで書類提出ができるDémarches-simplifiéesというサイトを教えてもらいました。
Démarches-simplifiées
このサイトにアカウントを作ってログインします。
サイトから書類が提出できるようになります。私の場合は、「初めて」就労ビザを要求するので、アルジェリア外からの外国人居住者が滞在の身分を変更する項目で、書類を提出しました。
PREFECTURE DE POLICE DE PARIS : RESSORTISSANTS ETRANGERS HORS ALGERIENS – Première demande de titre de séjour ou changement de statut vers – Immigration professionnelle (“salarié”, “travailleur temporaire”, “salarié détaché ICT”, ou “famille de ICT)
→私の場合は上記の項目で書類を提出
後は必要事項を入力し、必要書類を提出すれば、手続きは完了します。
入力事項は、外国人番号、名前、出身地、住所、両親の名前など。
提出書類は、パスポート、電気料金領収書、滞在許可証、労働許可書のpdf。
オンライン上で就労ビザの依頼を完了して、要求が通るまで待ちました。
2023年8月中旬
demarches-simplifieesのメールアドレスから提出した書類がアクセプトされたことが知らされます。サイトに行くと召喚状(Convocation)とリストが添付されているようです。
サイトで召喚日を確認します。9月の上旬のようです。こちらからはそのランデブの日付を選択することはできず、当日の予定は開けておく必要があります。次のステップは、その場所に行って、書類を提出することであることがわかります。
2023年8月下旬
しかし、メールに記載があった書類リストがサイトで見つかりません。そこで警視庁へ書類リストがない旨を連絡します。翌日に返信が返ってきます。
警視庁からの返信がすぐに返ってくることはめずらしいですね。送信メールにもうすぐで召喚日になることを記載していたからかもしれないです。
名前や滞在許可証の番号を送ってと書いてあるので、個人情報を送信します。3日後には、書類提出のリストが送られてきました。ただし、CST.9(就活ビザ用のリスト)とCST.3(就労ビザ用のリスト)の2つが送られてきました。
今回は就活ビザを取得するわけではないので、CST.3(就労ビザ用のリスト)のリストの持ち物を持っていくことにします。
持って行く物
◯召喚状(convocation)
◯有効な滞在許可証
◯国籍がわかる身分証明書(パスポート)
◯6ヶ月以内の住居証明書(電気代の請求書)
◯3枚の顔写真 35mm x 45mm (2枚しか必要とされなかった)
◯新しい雇い主が発行した労働許可書(autorisation de travail)
持っていった方がよかったもの
◯労働契約書(contrat de travail)のコピー
◯携帯電話の請求書
リストに記載がなかったが、労働契約書のコピーの提出が必要とされました。
書類提出 当日
2023年9月中旬
召喚書には、バルベス・ロシュシュアール駅近くの外国人センターに正午前に来るようにと記載がありました。
今回行く場所は、パリ警視庁(Prefecture de Police)ではありません。
召喚状を職員に見せ、予約がきちんと取れていることを確認。
探知ゲートを通ります。
一列に並び、受付で書類を提出を待ちます。
職員が3人で対応をしています。
Démarches-simplifiéesで書類を提出したことを聞かれ、そうですと答えます。
提出書類に不備はなく、受付番号の紙と記入書類をもらいました。
待ち時間
記入書類を受け取ったので、名前や住所、親族がどこに住んでいるか、フランスに到着した日付などを記載します。
ちょうど日本に一時帰国していたので、直前の日付を書きます。ただ、フランスの到着便が深夜でまた中継地のドイツのミュンヘンでもパスポートのスタンプをもらわなかったのです。
何か証明するものがないということで不安になっていました。
書類提出
受付の職員がまとめてくれた書類を提出します。ここで書類が確認されると、次のビザが発行するまでの仮の滞在許可証(récépissé : レセピセ)をもらうことができます。
次の書類を提出。
◯ パスポートのコピー
◯ 電気代の請求書のコピー
◯ 2枚の顔写真
◯ 労働許可証(autorisation de travail)
その職員からは、 労働契約書(contrat de travail)をだしてと言われました。
持ってきてないことを伝えました。また受付で確認した人からは必要ないということを言われたことを伝える。
そんなことはないはずだということになり、その職員が受付の職員に聞くと、特に問題ないということと受付の職員が答えました。
またその職員は、契約している携帯電話の請求書を提出してと言ってきます。住所の確認のためだそうです。その場で契約先のサイトに行き、先月の請求書をpdfでダウンロードしました。
提示されたアドレス先に、送信しましたが、テンパっていたのか、自分のアドレスに一度pdfを送ってしまいました。職員に届きましたか?と聞くが届いていないという一つ余計なコミュニケーションを挟むことになりました。
その職員は、なにかぶつぶつと言っていましたが、アクリル板が間にあるのでよく聞き取れません。
書類は問題ないとのことで、指紋をスキャンします。
その場でレセピセ(一時的な滞在許可証の代わり)を渡され、SMSで書類が承認されるのを待つように言われました。
ランデブをとる
2023年11月下旬
書類を提出してから1ヶ月と少し経った頃(2023年10月下旬)に滞在許可証の準備ができたという連絡がSMSできました。申請代金として、225ユーロを払います。
申請代金の支払い用のサイト
パリ警視庁へのランデブを取ろうとすると、予約枠が埋まっていて、中々予約を取ることができない。結局、そこから1ヶ月後の11月下旬に、2024年1月中旬の予約を取ることができた。
滞在許可証の受け取り用の予約サイト
パリ警視庁へ
2024年1月中旬
こういう時に限って、雨が降っていて寒かったです。予約が取れた時間帯は正午前で、人がすでに入口から建物の端まで並んで立っていました。早朝の時間帯を選べば人が少ないのにと思いました。
2時間外で待ちました。
持ち物
◯召喚状(convocation)
◯申請代の支払い証明書(Timbre fiscal)
◯国籍がわかる身分証明書(パスポート)
◯最後の滞在許可証
◯レセピセ(以前もらったもの)
雨なので早く建物の中に入りたいという気持ちが少しでてしまって、警察の合図があってからゲート内に入るところをゲートが開いてすぐに建物の中に入って警察から叱られました。「私が入ってもいいといいましたか?」「いや、言ってないです」こういう面倒なやりとりをしました。
そこから中々前に進めず、さっきの私の振る舞いのせいかもと思いながら第一のゲートの前で待ちます。その警察は交代で別の職員と替わりゲートに入れます。
荷物検査のゲートを通り、また中でも長い列があるのがわかります。まだ建物の中は雨にも当たらないし、暖かいので気楽でしたね。
そこから1時間くらい待って自分の番になりました。
順番が来てから
その後は、スムーズで、最後の滞在許可証やレセピセを提出して、最新の滞在許可証をもらいました。
就職ビザの滞在許可証の期限が1年間かと思ったら、半年(来年の7月まで)とのことでした。おそらく、レセピセで延びた分の滞在期間が引かれています。
そこで実は、少し気になることがありました。
外国人向けサイト(Étrangers en France)に個人のステータスが見えますが、ステータスがSalariéになっていないことが気がかりでした。
職員に聞くと、ステータスは自動的に変更するから気にしないでと言われました。
後日確認すると、Recherche d’emploi création d’entreprise から Salarié へと変更していました。
新しい滞在許可証をもらったのもつかの間、後3ヶ月くらいしたらまたビザの更新の申請をしなければいけないと思い、憂うつな気分になりました。
インターネット上で正しく情報を集めるだけでなく、すでに経験している人からも意見を聞くと、安心感を持ってビザ申請に進めることができます。
書類の提出には、全く書かれていないことも言われる(携帯電話の請求書など)こともありました。自分が必要だと少しでも思ったら書類は持っていくべきです。
ビザの受け取りには、時間がかかります。できるなら、朝の早い時間帯で予約を取った方がいいですね。