パリで就労ビザの更新手続きを行った際の体験談をお伝えします。
フランスでのビザ更新は、手続きはどのようにしたらいいのか、正しく書類を提出できるのか、ビザを期限内に受け取れるのかなど、不安ですよね。
私もフランス語や日本語でインターネット上の情報を調べても、なかなか確かな情報にたどり着けず、苦労した経験がありました。
手続き当日の流れや、事前に準備すべきだった書類について、実際にどんなことが起こったのかを詳しく書いていきます。
これから就労ビザの更新を考えている方に、少しでも役立つ情報を提供できればと思います。
伝えたいこと
○ 職員の対応に冷静に対処すること
○ 追加の必要書類を想像して用意すること
○ 書類の提出が完了するまでに時間かかること
1年間有効な就労ビザでフランスで働きました。
まだフランスで生活を続けたいと思い、就労ビザの更新手続きを行います。
無事に就労ビザを更新することでき、現在は4年間有効な就労ビザでフランスで生活をしています。
更新手続きの準備
更新ができる期間
2024年3月
滞在許可の期限(2024年7月まで)が切れるビザの更新手続きに取り組みました。
就労ビザを更新するには、期限が切れる4ヶ月から2ヶ月前までに必要書類を提出をする必要があります。
オンラインで書類提出ができない
書類の提出方法はオンライン上(Étrangers en France)か、住んでいる地区の警視庁(Prefecture de Police)や外国人センター(Centre acceuil des étrangers)で直接書類を提出します。
オンライン上でビザの更新依頼をしました。しかし私の場合は、フランス在住の外国人向けサイトであるÉtrangers en Franceでは、書類の提出ができませんでした。
画像のように、現在オンライン上では、労働者用の滞在許可証の更新ができないことがサイトに記載がありました。
「警視庁に問い合わせみて」と記載があるので、問い合わせフォームから問い合わせてみました。メールを送ったのは、滞在許可証の有効期限が切れる4ヶ月前でした。
ビザ更新ページで予約
警視庁からすぐに返信があることはありません。結局、1ヶ月も待って返信が来ず、電話することにしました。
対応してくれた方が、「ビザ更新ページで予約を取って、直接、ビザ更新に必要な書類を提出して」と教えてくれました。
ビザ更新ページにいき、予約を取ります。予約が取れた日は、ビザが切れる1ヶ月前しかありませんでした。仕方がないので、最も早く空いている日付で予約を取ることにしました。
滞在許可証の更新を予約するページ
ビザ更新用の提出書類の準備
予約したページから提出書類のpdfをダウンロードします。
そのpdfに必要ない提出書類が書いてあります。
フランス政府の公式ページからでも持ち物が確認できます。ただし当日に、持ち物としてリストに載っていなかったものも必要とされました。
就労ビザ用の持ち物リスト
必須の提出書類の他は、人によって持ち物が異なります。
私の場合は、3ページ目の
3. RENOUVELLEMENT – DOCUMENTS SPECIFIQUESの項目の3.2.1の持ち物も必要でした。
直近12ヶ月の職業活動の証明書(attestation d’activité professionnelle des 12 derniers mois)という証明書を提出しました。
提出書類
◯ 召喚状(convocation)
◯ 有効な滞在許可証
◯ 国籍がわかる身分証明書(パスポート)
◯ 6ヶ月以内の住居証明書(電気代の請求書)
◯ 3枚の顔写真 35mm x 45mm (2枚しか必要とされなかった)
◯ 直近12ヶ月の職業活動の証明書(attestation d’activité professionnelle des 12 derniers mois)
最後の職業活動証明書(attestation d’activité professionnelle)は、直前まで用意していませんでいた。
外国人の同僚に聞いて、以下のサイトからダウンロードして、12ヶ月間の活動がわかる書類をダウンロードしました。
MES DROITS SOCIAUX
MES DROITS SOCIAUXというサイトでは、自分の社会保障の状況について調べることができます。
直近12ヶ月の職業活動の証明書のダウンロード方法
1) トップページのVos servicesをクリック
2)Vos servicesのページから【Votre activité professionnelle】をクリック
3)職業活動の証明書をダウンロードするボタン【Télécharger votre attestation d’activié professionnelle】をクリック
12ヶ月分の給料が表示されたpdfをダウンロードし、それを印刷して持参
リストの他に持っていった持ち物
リストの他に持っていった持ち物
◯ 提出書類のコピー
◯ 就労証明書(attestation de travail)のコピー
◯ 労働契約書(contrat de travail)のコピー
◯ 出生証明書(extrait d’acte de naissance)とそのコピー
持っていった方がよかったもの
◯ 直近3ヶ月分の給与明細書のコピー
出生証明書については、パリの日本大使館で日本の戸籍謄本をフランス語に翻訳してもらった書類を持っていきました。
在フランス日本大使館のホームページ ⇗ で出生証明書を申し込むのに必要な書類を確認できます。
出生証明書の申請書類
◯ 申請書(窓口にある用紙に記入)
◯ 直近6か月以内に発行された戸籍謄(抄)本の原本
◯ 有効なパスポート
◯ フランス滞在許可証(申請中の場合は必要なし)
受け取りには、申請した翌日から数えて5開館日にかかります。受け取りの当日には、申請代金(8€)を忘れずに持っていきましょう。申請代金は年度によって異なるのでチェックしておくといいです。
書類提出 当日の流れ
外国人センターに書類を提出
2024年6月下旬
当日は9時に予約を取りました。列が並んでいるだろうと思い、少し早めに、バルベス・ロシュシュアール駅近くの外国人センター(Centre acceuil des étrangers)に着きました。
住所は、6 Rue du Delta, 75009 Paris こちらでした。
あいにく土砂降りの雨。6月にしては肌寒かったです。
すでに15人くらいが建物の軒下で待っていました。
8時45分を少しすぎた頃に、外国人センターのシャッターが上がりました。
一目散に入口に駆け寄った人が、早く入れろと職員に詰め寄りました。職員もその人に言い返し、一悶着が起こりました。
この外国人センターに来るのは、3回目です。
1回目は、学生ビザから、求職もしくは起業の滞在ビザ(carte de séjour “recherche d’emploi/ création d’entreprise”)への変更のため。
2回目は、求職もしくは起業の滞在ビザから就労ビザへの変更のため。
何回来ても緊張感がある場所だと感じます。
召喚状を職員に見せ、予約がきちんと取れていることを確認します。
職員が私の名前だとみてとれる文字列に黄色のマーカーで印をつけています。
危険物の持ち込みがないか、スマホ・財布を別の小型ケースに起き、金属探知ゲートを通りました。
受付で書類を確認
この時間帯9時前には、受付には職員一人だけ稼働していているようでした。
職員が提出書類に不備がないことを確認できると、受付番号をもらうことができました。
彼女からの質問は、「同じ職場で継続して働いているか」、「写真はいまの滞在許可証に使われている写真と異なる写真か」その2つだけでした。
提出書類に不備はなく、受付番号の紙と記入書類をもらいました。
待ち時間 書類に必要事項を記入
記入書類は、待ち時間に必要事項を記載します。
この記入書類は外国人センターの受付でもらえますし、警視庁サイトからもダウンロードができます。
ビザ更新を希望する人の項目(1.5- Vous souhaitez renouveler votre titre de séjour)で、オンライン申請ができない人向けの説明箇所からダウンロードできます。
書類には、名前や住所、両親がどこに住んでいるか、フランスに到着した日付などを記載しました。
待ち時間は時間がありますので、その場でもらっても十分記入できる時間があります。実際に、受付の職員から受付番号の紙をもらってから1時間近くは待っていました。
順番が来て書類を提出
順番が回ってきましたので、奥の部屋に移動します。
受付の職員がまとめてくれた書類を提出します。ここで書類が確認されると、次のビザが発行するまでの仮の滞在許可証(récépissé : レセピセ)をもらうことができます。
次の書類を提出しました。
◯ パスポートのコピー
◯ 電気代の請求書のコピー
◯ 2枚の顔写真
◯ 直近12ヶ月の職業活動の証明書
同じ職場での勤務のためか、就労証明書などは提出しませんでした。
追加書類が必要
ただし、直近3ヶ月分の給与明細書のコピーが必要と言われます。
職員がメールで送ってくれれば、いいからと言うので、給与明細書が見れるサイトにいき、その場でダウンロードしたpdfを3枚送信します。
この外国人センターではすこしネットがつながりにくく、送信に時間がかかりました。
書類は問題ないとのことで、指紋をスキャンします。
職員の方が、書類に問題ないことがわかり、その場でレセピセを作成します。少し待った後で、6ヶ月分のレセピセを受け取ることができました。
今後の流れ
その方によると、滞在許可証ができあがった時にSMSでビザの作成完了が通知されるシステムがうまくいかないケースがあるらしいです。
1-2ヶ月待っても何も通知がなければ、ビザ受け取りの予約をしてくださいとのことでした。
今回のビザの更新で、通常であれば4年ビザが発行されるとのこと。何かあれば、1年らしいです。
4年間有効な滞在許可証の受け取り
※追記しています。
滞在許可証が完成したメールを受け取る
2024年8月下旬
滞在許可証の受け取りというフランス政府のメールアドレスから連絡が届きました。滞在許可証の準備ができたそうです。
いままでは、いつもSMSで通知を受け取っていましたが、今回はメールに届きました。
今回はいままで少し違う点は、滞在許可証の受け取り日時がすでに決まっていることでした。
メールには、召喚状(Convocation)がpdfで添付されていました。
私は時間通りに滞在許可証を取りにいきましたが、時間変更もできるようです。
メールの本文には、時間の変更ができるリンクも書かれてありました。
ビザ受け取り時間の予約と変更
滞在許可証の受け取り
2024年9月上旬
滞在許可証の受け取りの時間にパリ警視庁(1 bis Rue de Lutèce, 75004 Paris)に行きました。今回はなぜか長蛇の列を並ぶ必要がありませんでいた。
警察の人にすぐに入口に行ってくださいと言われました。
建物に入ると、フランス式2階へ上り、順番まで待機スペースで待ちました。
扱いがこれまでよりも違い、VIP対応で驚きました。
時間になると呼ばれ、窓が開かれた見晴らしのいい部屋で滞在許可証を受け取りました。
当日の持ち物
◯ 召喚状(Convocation)
◯ 有効なパスポート
◯ 最後の滞在許可証カード
◯ 一時的な滞在許可証・レセピセ(Récépissé)
◯ 225ユーロのビザ手続き費用の支払い証明書(timbres fiscaux)
※一応、念のため、コピーも持って行きました。
この滞在許可証のおかげで、ひとまず、あと4年間はフランスに滞在できることになりました。ホッとした反面、少し感慨深い気持ちにもなりました。
これからもこの国での新しい挑戦や日常が続くんだなと思うと、なんだか不思議な気持ちになります。
※ビザ申請代の支払い方法
ビザ受け取りの申請証明書は次のサイトで小切手を購入することで取得できます。
ビザ申請代の支払いサイト
ビザ申請代の支払い手順
1) トップページの 【Acheter un timbre électronique】 をクリック
2)クリックした先のページから【Titre pour étrangers】をクリック
3)Saisissez le montant du timbre recherché という文言の右側の□€に225を記入 ※申請するビザの種類によって料金が変わります
4) 下にある【Valider】をクリック
5) 【Ajouter au panier】 をクリック
6) 【Voir mon panier】 をクリックして、Validation de votre panier のページにいく
7) 同じページ上で、購入する小切手金額「Titre pour étrangers à 225.00 €」を確認。受け取り方法をメールかSMSか選んで、個人のメールアドレスか電話番号を入力
8) 同じページ上で、最後に【Valider le panier】をクリック
9) 支払い手続きをする
職員によって必要な書類が変わることがあります。その場での提出が可能なので、落ち着いて対応すれば問題ありません。
私は3ヶ月分の給与明細書を持ってきていませんでした。じつは、書類の準備をする時に、どこかのサイトで給与明細書が必要だと見かけましたが、提出しなくても問題ないだろうと思い、準備していませんでした。
今回は、就労証明書や労働契約書を提出しませんでしたが、余分だと思っても多めに必要書類は用意した方がいいかもしれないです。
ビザ更新は、ストレスがかかりますよね。追加で必要な提出書類が増えるかもしれないと想像することで、より確実にビザ更新の手続きをしていきましょう。